集客の施策は広告、媒体、SNS、SEO、MEO、ポスティング、紹介など多岐にわたり、単一の施策だけではなかなか成果が上がりません。美容室の場合、競合他社は無数にあり選ばれるサロンになることは時間がかかります。以下では、具体的な施策の細分化や他のプラットフォームへの展開を通じて、より効果的な集客方法について考えていきましょう。
美容室の集客はなぜ必要か？
美容室の数は年々増加しており、新規顧客の獲得が難しくなっています。美容室の売上を伸ばすには、新規客の集客が欠かせません。その理由としては美容室の店舗数が常に増加していることが原因です。美容業界は独立を目指している美容師が多いため店舗数は増え続けています。だからこそ自店にあった集客方法を見つけることが大切です。
美容室の新規集客を集める7つの方法
①広告
広告は大まかに3つに分けられ、それぞれに特徴や異なるユーザー層が存在します。予算やターゲット設定などの詳細な調整が可能で、これによりターゲットに合わせた発信が可能です。主にホームページやランディングページへのリンクが含まれるので、そのためには自社のウェブサイトが必要です。
ホームページでは、スタッフや提供可能なヘアスタイルやメニュー、料金、施術風景、お客様の声など、お店に関する情報を充実させることが重要です。これにより、お客様は安心感や親近感を感じやすくなります。事前にお店の雰囲気やサービス内容を知ってもらうことで、来店時にはサービスの満足度が向上します。
以下の3つが代表的な広告になります
・検索連動型広告（リスティング広告）
googleやYahooなどの検索エンジンの最上部や下部に表示される
・ディスプレイ広告
WEBサイト、SNS、アプリに掲載される
・SNS広告（Facebook、Instagram、YouTube、LINE等）
検索結果や広告枠に掲載される
②広告媒体、ポータルサイト（ホットペッパービューティー、楽天ビューティー、ミニモ等）
美容室情報の収集と集客を目的としたWEBサイトです。掲載することで、美容室を探している人に知ってもらえます。特に、開業したばかりの美容室にとっては、情報を簡単に入力するだけで自社ページを作ることができ、効果的です。多くの美容室が載っているため、他との差別化が重要です。
このポータルサイトでは、担当営業からのキーワードや流行に関する情報を取得でき、それを活用して検索されやすい自社ページを作ることができます。契約プランによっては、地域別の掲載順位が変動する仕組みもあります。これにより効果的な集客が可能です。
③SNS（Facebook、Instagram、X、YouTube等）
全てのSNSが無料で発信できるため、広告費をかけずに集客が可能です。発信するコンテンツによって、美容室のブランディングができ効果的に集客できます。結果が出るまでには時間がかかりますが価格競争が生じないため、コスト効果の高い集客手段となります。
④SEO（サーチエンジン最適化）
ポータルサイトの店舗ページだけでなく、ホームページやランディングページも情報豊富に充実させることで、検索結果で上位に表示されやすくなります。ホームページ構築において、SEO対策を組み込むことは非常に重要です。SEO（検索エンジン最適化）は特定のターゲットに向けてアクセスを引き寄せる戦略です。店舗のホームページには、ターゲットの関心を引くコンテンツやキーワードを追加することで、アクセス数を増やすことができます。
⑤MEO（マップエンジン最適化）
Googleマップ（地図サービス）での検索結果で店舗情報を正しく表示させ、集客を促進するための施策です。具体的には、Google ビジネスプロフィールを登録し、店舗の詳細情報（名前、住所、営業時間、写真、口コミなど）を管理・更新していくことが重要です。これにより、お店の検索結果が評価され、店舗情報がユーザーに露出されやすくなります。競合が激しい地域では、高評価な口コミを獲得することで、自社を差別化しやすくなります。
⑥ポスティング
店舗情報の記載されたチラシを近隣に配ることで集客効果を高める方法があります。チラシによる集客は効果が限定的ですが工夫したチラシ制作と継続的な配布により、集客率を向上させることが可能です。個人でのポスティングよりも、業者に依頼する方が戦略的に配布することができます。特に地域に密着した店舗にとって有効な集客手段です。
⑦紹介
既存のお客様からのご紹介を受けた新規のお客様は、既に美容室や美容師について聞いてきています。事前にそのような情報を得ることで、ご来店いただく際にはリピーターになる可能性が高まります。これにより、完全に知らない新規のお客様よりもコミュニケーションが取りやすくなります。他の集客方法と同じく適切な施策を講じることで、紹介の件数を増やすことができます。
ターゲットに合わせて効果のある集客を見つけ出す
これらの施策を実践する際には、継続的かつ戦略的なアプローチが必要です。各施策の成果をモニタリングし、必要に応じて調整を行いながら、集客効果を最大化していくことが成功の鍵です。特にオンラインプラットフォームやソーシャルメディアの活用は、現代の集客戦略において不可欠な要素となっています。
これらの施策を組み合わせ、相互に補完しながら実施することで、より多くの顧客層を獲得しやすくなります。集客の成功は一朝一夕でなく、継続的な努力が必要です。定期的な施策の見直しと効果を分析をしながら、改善点を見つけてより効果的な集客戦略を構築していくことが重要です。
ただし、これらの集客方法をすべて続けることは難しいです。美容室のコンセプトや地域によって、効果的な方法を見つけていくことが大切です。
美容室での効果的な集客方法の具体例
実際に私たちが実践して効果があった施策について紹介します。私たちの美容室は悩みを解決するコンセプトなので、知名度を上げるためにさまざまな方法を試しました。その中でも特に効果的だったのはYouTube、SEO対策、広告の3つで、これらの施策は現在も続けています。
この表は1号店をオープン1ヵ月後の集客の集計表になります。
2022年3月20日にオープンしたので、表の右側が3月は半月分の集計です。左側が4月の集計にです。
オープン当初はポータルサイト(楽天ビューティー)の掲載掲載やmeta広告やInstagramなど試みていましたが、思った結果が得られなかったので途中で止めています。
YouTube
YouTubeは店舗がオープンする前から積極的に活用し、美容室のコンセプトに対する需要を事前に確認するチャンスがありました。問い合わせ数は多くはありませんでしたが、潜在顧客からの反応を得ることができました。現在もYouTubeの動画を継続的にアップロードし、そこからの集客が続いています。YouTubeは集客効果が得られるまでに時間がかかるため、早めに始めて無理なく長期間続けることが成功するためには必要です。
初めて動画を撮影する方は何を撮影すれば良いのか迷うことが一般的です。その際は、同じようなコンセプトの動画をYouTubeで検索し、再生数の多い動画を参考にしながら構成を考えていくと良いでしょう。最初はこの方法で動画を撮影し、視聴者からのグットボタン、チャンネル登録、再生数、コメント等の反応が得られるような動画が出てきたらその成功事例を元にさらに多くの反応を引き寄せる動画を投稿していくと良いです。
動画の編集には時間がかかりますので、外注を検討することがおすすめです。編集にかかる費用は5分程度であれば、3000円から5000円程度が一般的です。その他にコンサルティングなどを取り入れると費用が増えることもあります。
SEO対策
現在、ホームページのSEO対策が最も高い集客効果を発揮しています。ホームページを作成するには専門知識が必要で、そのため外注を検討することをおすすめします。ただしデザインや機能にこだわりすぎると高額になる可能性があります。おしゃれなデザインだからといって必ずしも見られるホームページになるわけではないので、まずはシンプルなデザインで必要最低限の機能を備え、コストを抑える意識が重要です。
ホームページ全体には美容室のコンセプト以外の情報は一切掲載しません。どういった美容室でどういったお客様の悩みを解決できるのか、お店の雰囲気、提供サービス、メニュー、ヘアスタイルのビフォーアフター、店舗情報、スタッフ情報、お客様のためになるブログなど、これらの要素を中心に掲載していきます。
SEO対策の中でも最も重要なのはブログです。スタッフに依頼するのではなく、オーナー自らが悩みに対する解決策をブログに記載することで、最大の効果が得られます。お客様が抱える悩みに対してどのようなアプローチで解決できるのかを分かりやすく伝えます。
ホームページの構築にあたっては同様のコンセプトで集客が成功している美容室を参考にすると理想のイメージが描きやすくなります。ツールを活用することでそのホームページがどのキーワードから訪れてもらっているかを把握することが可能です。これにより効果的なSEO対策での集客方法になります。
google広告（リスティング広告）
最後に広告についてですが、主力となっているのはGoogle広告（リスティング）です。これは検索するキーワードに対してホームページを上位に表示させる広告です。まずはリスティング広告と相性の良いランディングページを作成します。ホームページとは異なり一枚のWEBサイトになるので誰でも調べながら作成することができます。外注費用もホームページほど高くはかかりません。
リスティング広告の設定は出稿前に多岐にわたりますが、結果を見ながら改善していくものです。ある程度設定ができたらこだわりすぎずに入稿していきます。現在の広告はAIが学習し効率的に配信されているため、キーワードは直感的にわかるものを使って「部分一致」を活用しそれ以外のキーワードも広げていきます。例えば美容室であれば「美容室 〇〇（地域名）」などが適しています。
広告が始まると様々な数字が出てきて何を見れば良いか分からなくなることがあります。その際に最初に確認してほしいのはコンバージョン単価（成約単価）です。この数字が自店の客単価の半分くらいを目指すと広告費を一回のご来店で回収できるイメージになります。
広告には考えれば考えるほど様々な施策が浮かび上がりますが、労力と時間がかかるため、集客数とコンバージョン単価を管理しながら運用することをお勧めします。
集客のためにできることを実行する
今回の記事では美容室ができる集客方法についてや私たちが行なってきた集客例を紹介しました。地域や美容室のコンセプトによってオンラインとオフラインの使い分けが必要です。予算をかけすぎずに結果が出やすい集客方法から試してみましょう。そして結果が出てかつ継続していける方法で集客強化をしていくと経営が安定させることができます。