フリーランスや個人事業主としてのスタート方法についての説明を、より分かりやすく解説します。

フリーランスとして働きたい、業務委託で働きたい、自分のお店を持ちたいと思っている方は、まず税務署に個人事業主としての届出を行う必要があります。以下にその手続きの方法を説明します。

開業するための重要なポイント

  • 事業を開始してから1ヶ月以内に税務署に個人事業主の開業届を提出する必要があります。1ヶ月を過ぎても受理されますが、早めに提出することをおすすめします。

開業届出書の記入方法

開業届出書を初めて提出する方が記入すべきポイント

  1. 納税地: 納税地は基本的に勤務地ではなく、自宅の管轄に納税します。住所地にチェックを入れ、郵便番号、住所、電話番号を記載します。住所は住民票通りに、電話番号は携帯電話でも可能です。
  2. 上記以外の住所地・事業所等: ここは「同上」と記入します。
  3. 氏名・生年月日: 氏名を記入し、右側にハンコを押します。フリガナも忘れずに記入してください。
  4. 個人番号: マイナンバーを12桁で記入します。
  5. 職業: 「美容師」など、あなたの職業を記入します。職業の右の屋号は記入しなくても大丈夫です。自分の店を開業した場合は、屋号に店の名前を記載します。
  6. 届出の区分: 一番上の「開業」にチェックを入れます。それ以外は記入しなくても大丈夫です。
  7. 所得の種類: 左から3つ目の「事業」にチェックを入れます。
  8. 開業・廃業等日: 個人事業主として働き始めた日を記入します。
  9. 提出先の税務署: 自分が住んでいる市町村の税務署の名前を記入します。提出日も記入します。

青色申告承認申請書の提出もおすすめ

青色申告承認申請書も同時に提出すると、節税のメリットがあります。提出しないと白色申告(簡易な形式の確定申告)になり、控除額は10万円となります。

青色申告とは…青色申告をすると、所得から最高65万円を差し引いて申告することができます。つまり、青色申告をした方が税金が少なくなります。また、赤字を3年間繰り越すことができるようになります。メリットが大きいので、青色申告をすることをおすすめします。

青色申告申請書の記入方法

青色申告承認申請書を初めて提出する方が記入すべきポイント

  1. 納税地: 開業届出書と同じで、納税地は勤務地ではなく自宅を記入します。住所地にチェックを入れ、電話番号も忘れずに記入します。
  2. 氏名・生年月日: 氏名を記入し、右側にハンコを押します。フリガナも忘れずに記入してください。
  3. 職業: 「美容師」など、あなたの職業を記入します。屋号は記入しなくても大丈夫ですが、開業届出書に屋号を記載した場合は同じ屋号を記載します。
  4. 令和_年分以後の所得税の申告は、青色申告書によりたいので申請します: 開業した和暦を記入します。
  5. 所得の種類: 事業所得にチェックを入れます。
  6. いままでに青色申告承認の取消しを受けたこと又は取りやめをしたことの有無: 無にチェックを入れます。ある方はいつなのか記入します。
  7. 本年1月16日以後新たに業務を開始した場合、その開始した年月日: 開業日を記入します。
  8. 相続による事業承継の有無: 無にチェックを入れます。ある方はいつなのか記入します。

その他の参考事項

基本的には自分で確定申告をする方は少ないと思います。簿記方式や備付帳簿名は、フリーランスの場合は働き先の担当税理士に聞き、どうすればいいか事前に問い合わせる必要があります。自分で開業した場合は税理士さんを見つける必要があります。

税理士を見つけるのは難しいかもしれませんが、美容室を専門としている税理士は多くいますので、調べたり、今までのコネクションを活用して関係を築くと良いでしょう。

フリーランスで働いたり、個人事業主になったり、開業するのは大変です。美容師は髪を切る専門家、税理士は税務関係のスペシャリスト、社労士は労務関係のスペシャリストと、それぞれ専門分野があります。美容師として経営するためにも知識を貯めることは大切ですが、専門分野は専門家に任せることをおすすめします。